- こころあり
- こころあり【心有り】(1)思慮分別がある。 物の道理がわかっている。
「少し~・らむ人は, 我があたりをさへ疎みぬべかめり/源氏(東屋)」
(2)思いやりがある。 情がある。「三輪山を然(シカ)も隠すか雲だにも~・らなも隠さふべしや/万葉 18」
(3)趣がある。 また, 情趣や風雅を解する。「~・る朝ぼらけに急ぎ出でつる車副ひなどこそ/源氏(東屋)」「~・らむ人に見せばや津の国の難波わたりの春の景色を/後拾遺(春上)」
(4)相手にさからうような気持ちをひそかにいだく。 下心がある。「かく親しき御なからひにて, ~・るやうならむもびんなくて/源氏(若菜上)」
(5)歌論や連歌の用語。 深い心をこめている。 有心体(ウシンタイ)。「常に~・る体の歌を御心にかけてあそばし候べく候/毎月抄」
⇔ 心無い
Japanese explanatory dictionaries. 2013.